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【DXハイスクール】2025DX推進台湾研修
#高校
【台湾研修1日目】未来の農業に触れる ~DX農業施設「源鮮智慧農場」見学~
本日、3月23日(日)、10名の生徒とともに関西国際空港を出発し、無事に台湾に到着しました。はじめての海外という生徒もいて、空港に降り立った瞬間から緊張と期待が入り混じった様子でした。このメンバーは日本でデジタル関連の事前学習を受けたうえで今回の研修に臨んでいます。
到着後、私たちは早速、今回の研修の大きな目的でもある「DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した農業」の最前線に触れるべく、「源鮮智慧農場(げんせんちえのうじょう)」を訪れました。この施設は、最新のスマート技術を導入した都市型の垂直農場であり、健康ブームである台湾国内でも注目されている場所です。
生徒たちは、14段にも重なる垂直型のレタス栽培や、ウルトラファインバブルの技術、水を66%も節約するシステムなどを実際に目にして、大きな驚きをもって学びを深めていました。
ある生徒は、「レタスに音楽を聴かせて育てているなんて、全く違う視点で野菜づくりを考えていて驚いた」と話していました。また、「農薬を使わずに育てた野菜のスムージーがとても美味しかった」「日本の農業も機械に頼らず工夫していて、改めてすごいと思った」といった声もありました。
現地の香辛料の強い食事に驚いたり、日本の商品がたくさん売られていることに感心したりと、それぞれの視点で台湾の文化に触れ始めています。そして、「これからもっと新しい視点を持ちたい」という前向きな言葉も聞かれ、教員としてとても嬉しく感じました。
この研修は、生徒たちが「自分の目で世界(台湾でのDX教育)を見て、自分の言葉で学びを語れるようになること」を目指して実施しています。初日から多くの刺激を受けてくれたことが、これからの学びの広がりにつながると確信しています。


【台湾研修2日目】台北市立芳和實驗中學~違いにふれて、気づきが生まれる一日~
台湾研修2日目は、台北市にある「台北市立芳和實驗中學」を訪問しました。学校に到着すると多くの高校生たちが笑顔で出迎えてくれたいへん嬉しかったです。日本の高校とはずいぶん違う雰囲気に、生徒たちはすぐに興味津々になりました。
校舎はとても開放的で、窓が多く、中庭には緑も豊か。全体的にゆったりした空気感も印象的だったようです。生徒の皆さんからのウェカムセレモニーでは上手な英語のプレゼンテーションや楽しいアイスブレイクに圧倒されました。
午前中は、STEAM教育で船を使った授業に参加しました。3名ほどのチームになって3か月ほどかけながら船の設計・アプリ作成・電気回路の作成・実装調節とすべての過程を作成されたようです。スマートフォンと連動させて船を操作したり、自分たちでアプリを作っていると聞いて、「同じ高校生なのに、やってることがすごい!」と感心する声がありました。また、ペットボトルを再利用して作っていたことに「遊び心と工夫があって面白かった」という声も。英語や専門用語に苦戦する場面もありましたが、それ以上に「自分ももっとロボットやプログラミング、英語を学びたい」と思える刺激をたくさん受けたようです。
午後はAdobeを使った動画編集の授業に参加しました。普段からスマホで編集している生徒もいましたが、パソコンを使った本格的な編集は初めてで、「もっといろいろ作ってみたい」とやる気を見せていました。発表会ではいろいろな動画を鑑賞しながら多くの笑いが生まれました。言葉の壁を感じながらも、現地の生徒が翻訳アプリを使って丁寧に伝えようとしてくれたことが嬉しかったようです。
休み時間には、短い時間ではありましたが、現地の生徒とスポーツで交流する機会もあり、笑顔が広がるひとときとなりました。
交流の最後には、台湾の生徒たちから「また来てね!」という言葉を何度もかけてもらいました。「日本にも行ってみたい」と話す生徒もいて、お互いの国を行き来しながら、これからもつながっていけたら素敵だなと感じました。半日間の交流でも、お互いの心が通い合ったことが伝わってきて、引率する私たちにとっても、とてもあたたかい気持ちになれる時間でした。
夕方には、世界100か所以上で展開されているDX技術を活用した「i-Ride 飛行劇院」を体験しました。五感で味わうフライト型アトラクションに、生徒たちは「まるで本当に空を飛んでいるみたい!」と大興奮。台湾の山々や海を空から見渡すような感覚に、デジタル技術の奥深さを体験いたしました。
今日は、学校という同じ「学びの場」であっても、文化や価値観、環境の違いが大きな気づきを生むということを実感できた1日でした。生徒たちは、異なる背景を持つ同世代の仲間と触れ合うことで、言葉だけではない大切な「つながり」を感じ始めています。
【台湾研修3日目】専門的な学びと楽しい交流 ~樹人醫護管理専科学校~
台湾研修も3日目を迎え、本日は高尾まで新幹線で、樹人醫護管理専科学校を訪問しました。昨日の学校に続き、校則も比較的自由な雰囲気でしたが、生徒数が約7000人と大規模なことに生徒たちは驚いていました。
午前中はAIを活用した音楽作り、VR体験、ゲーム制作といった授業を体験しました。これらはすべて現地の先生方が作成してくださったもので、生徒たちはAIが作り出したJ-POP調の曲に触れ、「これからはクリエイターという定義も大きく変わるのでは」と新しい視点で考える機会となりました。
特にVR体験は、昨日のi-Rideと比べても引けを取らない迫力で、生徒たちも思わず声をあげるほど。初めてVRを体験した生徒からは「これは本当に多くの人に体験してほしい!」という感想も聞かれました。
午後は、学校内を巡るスタンプラリー形式の交流活動でした。日本語を学んでいる現地の学生たちは、勉強を始めてまだ2年ほどにもかかわらず、驚くほど流暢に日本語を話し、生徒たちは「安心してコミュニケーションができた」と喜んでいました。趣味の話や好きな日本のアニメの話題で盛り上がり、休み時間には一緒にダンスをするなど、心が温まる交流が自然と生まれていました。
また、自然豊かなキャンパスで気持ちよく過ごしながら、生徒たちは「もっと語学を勉強して、もっと深い交流がしたい」という前向きな気持ちを強めていました。日本語を学ぶ台湾の学生の意欲的な姿に刺激を受け、「自分も英語をもっと話せるようになりたい」と感じた生徒が多かったようです。
生徒からのコメントでは、「日本語が通じたことで言語を学ぶとコミュニケーションの輪が広がることの良さがわかった」「実際に体験したゲームを作ったことを聞いたり、AIの曲を作る過程を見せてもらえて、自分もAIについて勉強しようと思った」といった感想が寄せられました。
今日の交流をきっかけに、生徒たちの国際交流への関心や語学学習への意欲がさらに高まったように感じます。
【台湾研修4日目】DX体験を深める交流 ~內壢高等中学校~
研修最終日となる今日は、內壢高等中学校を訪問しました。比較的新しい校舎は清潔感があり、生徒たちも「とても綺麗で設備が整っていて勉強しやすそう」と感心していました。特に図書館には日本の雑誌も多く、生徒たちは馴染みのある本を見つけて嬉しそうでした。生徒の雰囲気も温かく、留学生を積極的に受け入れている校風がとても印象的でした。
本日はDX体験としてマインクラフトを使ったプログラミング授業を行いました。多くの生徒がパソコンでのマインクラフトは初めてで、「プログラミングで自分が作りたいものが作れた時は感動した」と大いに刺激を受けていました。作品の紹介文をAIで作る工程では、言語の微妙な違いから少し戸惑う場面もありましたが、台湾の生徒たちが根気よくコミュニケーションを助けてくれ、生徒たちも感謝していました。
また、多くの留学生が通う国際的な雰囲気の中で、英語や中国語に戸惑いながらも、現地の生徒たちが丁寧にフォローしてくれる姿に感銘を受けた生徒も多く、「コミュニケーションの大切さを改めて感じた」「自分ももっと語学を学びたい」と前向きな気持ちが高まったようです。
【台湾研修を終えて】
4日間の台湾研修を通じ、生徒たちはDX教育や異文化交流を深く体験しました。台湾の生徒たちの高い語学力や積極的な交流姿勢に触れ、「自分も語学をもっと学ばなければ」と感じる場面が多々ありました。特にプログラミングやVR、動画編集などの最新技術を体験したことで、技術的なスキルの重要性や楽しさを実感することができました。
今後、生徒の皆さんには語学力を高め、異文化理解を深めるための学習に継続的に取り組む必要があります。また、今回学んだデジタル技術を教育に活かし、ゲームやAIなどを積極的に取り入れた実践的な学習環境の充実が求められると感じました。
教員としては、生徒がグローバルな視点を持てるような環境を作り、台湾で得た経験や手法を積極的に本校の教育に導入することが課題です。異文化や最先端技術への関心を高める仕掛けを今後も継続して提供し、生徒たちが将来に役立つ力を育めるよう支援していきたいと考えています。
最後になりますが、この研修を無事に終えることができたのも、現地の学校や生徒の皆さんの温かいサポートのおかげです。この場を借りて心から感謝申し上げます。

